#000000

各部門からの製品情報の収集を自動化。カタログ拡充などデータの積極活用を推進

花王株式会社

この事例をPDFで読む

花王株式会社

本社: 東京

創立: 1887年

www.kao.com/jp/

世界の人々の喜びと満足のある豊かな生活文化を実現するとともに、社会のサステナビリティ(持続可能性)に貢献することを使命とする。「ハイジーン&リビングケア」「ヘルス&ビューティケア」「ライフケア」「化粧品」の4つの事業分野で事業を展開している。

導入製品:

Adobe Experience Manager Assets

Adobe Experience Manager Sites

Adobe Analytics

Adobe Audience Manager

Adobe Commerce

Adobe Creative Cloudエンタープライズ版

checkbox icon

課題

工数がかかっている製品カタログの作成プロセスを見直したい

graph icon

成果

・製品カタログの作成プロセスを改善

・新しい顧客体験価値を創造

・カタログ更新作業の期間を大幅に短縮

・データ活用組織へと変化

「製品情報の収集と製品カタログへの反映を自動化しました。 製品カタログの情報の拡充にもつながり、業務の効率化と顧客体験価値の向上を両立しています」

DX推進センター マーケティングプラットフォーム部 部長  後藤 亮 氏

人手で収集や入力を行っているため、工数がかかっている製品カタログの作成プロセスを見直したい。そう考えた花王は各部門が持つ製品情報を自動収集して、製品カタログに反映する仕組みを構築した。その結果、製品カタログの情報を拡充しやすくなり、顧客体験価値が向上。また製品情報を活用しやすい環境によって、データ活用を志向する機運が高まっています。

手間がかかっている製品カタログの制作プロセスを改善したい

洗濯や掃除用の洗剤など誰もが安心して暮らせるための清潔・衛生商品、シャンプーやボディソープなどの健康美と清潔衛生への貢献を提供するスキンケア・ヘアケア製品、一人ひとりの美や個性に寄り添う化粧品など、私たちの健康や清潔な暮らしのための様々な製品を提供している花王。世界の人々の喜びと満足のある豊かな生活文化の実現、社会のサステナビリティへの貢献を使命として掲げています。

同社は、顧客が安全・安心に製品を利用できるよう、各製品の情報を集めたカタログを構築し、web上で公開しています。

紹介しているのは、各製品の用途、成分、使用量の目安、使用上の注意などの情報ですが、情報が多岐にわたることが工数の増大につながっていました。

「製品情報やお役立ち情報は事業部門、材料や成分情報は研究・開発・生産部門、というように、製品カタログに掲載する情報は各部門が管理しています。製品カタログに新製品を追加したり、情報を更新したりするには、各部門から必要な情報をそれぞれ収集して、テキストや画像の編集・加工、入力をしなければなりません。この作業を全て人手で行っていたため、担当者の負担が大きいだけでなく、簡単に情報を更新できるような状況ではなかったのです」と花王の後藤亮氏は言います。

この制作工数の多さは業務効率だけでなく、より良い製品カタログを実現する際のハードルにもなっていました。

「Q&Aや関連するブログ記事など、製品を軸に『芋づる式』に情報がつながっていく。そんな製品カタログを実現して、お客様がもっと便利に製品を利用するためのサポートをしたいという思いがありましたが、人手で多くの工数がかかる作成プロセスが負担となっていました」と花王の田中剛氏は言います。

情報の収集と製品カタログへの反映を自動化

製品カタログの作成プロセスを見直すことにした同社は、情報の自動収集と製品カタログへの自動反映に向けた検討を開始しました。

検討の結果、同社が採用したのが各部門システムと連携し、様々な製品情報を自動的に収集する新システムの構築です。この新システムをハブと位置付けて、そこから製品カタログの基盤となっているCMS(Contents Management System)に情報を自動入力することで、製品カタログの作成を自動化することにしたのです。

「各部門システムとCMSを直接つながなかったのは、製品カタログに掲載する予定があるかどうかに関係なく、より多様な情報をハブとなるシステムに集約しておき、将来、製品カタログ以外の情報活用ニーズに対応させたり、機を見て製品カタログを拡充したりするためです。そのために部門システム側の製品マスタを統合するという選択肢もありますが、現場の業務を支えている全ての部門システムに手を加えるのはリスクが大きく、現実的ではないと考えました」と田中氏は言います。現在、このハブとなるシステムに採用しているのはアドビのAdobe Experience Manager Assetsです。

もともと同社は、webのCMSとしてAdobe Experience Manager Sitesを採用しており、DAM (Digital Asset Management)としてAdobe Experience Manager Assetsを利用すれば容易に連携させることができます。

1カ月半かかっていたカタログ更新を早ければ数日で完了

Adobe Experience Manager Assetsをハブとした製品情報の自動収集、自動入力の仕組みによって、同社は製品カタログの作成プロセスを大幅に効率化しました。「手作業の頃は、ある製品のカタログ更新を計画してから実際に反映されるまで約1カ月半を要していましたが、現在は早ければ数日でカタログを更新できます」と田中氏は成果を述べます。

Adobe Experience ManagerはAmazon Web Service上で運用していますが、Adobe Experience Manager Assetsの役割がAdobe Experience Manager SitesのDAMだけではないため、あえてインスタンスを分けて運用しています。

より充実した製品カタログで顧客の生活をサポート

もちろん、この仕組みによってカタログ情報の拡充も進んでいます。その製品がどこで買えるかが分かる「取扱店を探す」という情報も追加されました。製品カタログを開くと基本的な製品情報のすぐ下に「取扱店を探す」というリンクがあり、ここをクリックすると利用者の近隣のどの店舗で購入できるかがマップ表示されるのです。単に取り扱い契約があるというだけでなく、鮮度の高い情報を基に取扱店を紹介することで、在庫がある可能性の高い店舗を紹介して顧客の買い物をサポートしています。

製品情報の自動収集の仕組み

行動情報なども活用して様々な施策にチャレンジ

製品カタログ以外での情報活用についても徐々に機運が高まっています。「これまで、現場では、ある情報が欲しいと思っても、それがどこにあるのかが判然としないことから活用に二の足を踏む場面も多かったようです。一方、現在は欲しい情報が必ずあるはずと前向きに検討する『データ活用文化』が根付きつつあります」と後藤氏は言います。

また、同社はweb上のユーザーの行動分析にAdobe Analytics、そして、クリエイティブ領域でもPhotoshopやIllustratorといったアドビのプロダクトを利用しています。デジタルプラットフォームをアドビ製品で統一していることを活かして、例えばAdobe Analyticsで分析したweb上の行動情報に応じてパーソナライズしたコンテンツを顧客に提案していくなど、様々な施策につなげることも検討しています。

カタログ作成のプロセスを改善することで、顧客体験の向上に加えて、データ活用に向けた環境整備も行った花王。今後の同社の取り組みから目が離せません。

後藤 亮 氏

DX 戦略推進センター
マーケティングプラットフォーム部 部長
後藤 亮 氏

田中 剛 氏

DX戦略推進センター
マーケティングプラットフォーム部
プラットフォーム開発1室 室長

田中 剛 氏

関連するユーザー事例

https://main--bacom--adobecom.hlx.page/jp/fragments/customer-success-stories/cards/973f7ce21a9698a0759612614000407a



その他の関連トピックスを見る